いわき市沼の内漁港の魚市場で大人気ユメカサゴをご紹介します!

深海魚としての「発見」と漁獲の始まり

ユメカサゴはカサゴ科の一種で、日本近海の水深200~500mほどの深海に生息しています。本格的に水揚げされるようになったのは、昭和後期から平成にかけて深海漁業が発展し、底曳き網や深海釣りの技術が進化したことがきっかけでした。アカムツ(ノドグロ)などの高級魚を狙う漁で、ユメカサゴも「外道(目的外の魚)」として一緒に獲れるようになり、特に福島県や茨城県など常磐沖では、冬場の底曳き網漁で副産物的に水揚げされることが多くなりました。当初は「名前もない魚」として扱われ、骨が多くて商品価値も低いとされていましたが、実際に調理してみると、ふっくらとした身と上品な白身の美味しさが見直され、2000年代以降は家庭や飲食店でも少しずつ人気が高まってきました。特に東北沿岸では煮つけや唐揚げとして親しまれ、「アカムツの代わりに使える魚」としての地位を確立し、地元の漁師町では「煮るとうまい赤い魚」として定着しています。

知っておきたい!ユメカサゴとアカムツ、見た目以上の深い違い

項目ユメカサゴ(夢笠子)アカムツ(赤鯥・ノドグロ)
分類カサゴ科スズキ目ホタルジャコ科
見た目赤くて大きな目、背びれに棘がある体全体が赤く、のど(口の中)が黒い
口の中の色白い真っ黒(これが「ノドグロ」の由来)
体型頭が大きくずんぐりむっくりやや細長く、銀色がかる胴体
身の質感ややあっさりめの白身、ふんわり脂のりが非常に良く、濃厚な白身
主な漁法底引き網漁(外道扱いも多い)釣り、底曳網、延縄(高級魚として狙われる)
冬〜春秋〜冬
価格比較的安価高級魚(特に大サイズは超高値)
流通名「ユメカサゴ」「深海カサゴ」など「ノドグロ」「アカムツ」
味の特徴淡白で上品、煮付け・唐揚げ向き脂が乗っていて濃厚、焼き物・刺身向き

濃厚でとろける脂が好みなら → アカムツ(ノドグロ)
 → 特に炙りや塩焼きで真価を発揮。ご飯にも酒にも合う「王道の高級魚」

ふわっとした食感で、やさしい味を楽しみたいなら → ユメカサゴ
 → 煮付けや唐揚げで活きる“深海の白身魚”。手頃な価格も魅力

簡単おやつ!ユメカサゴの唐揚げ

材料

  • ユメカサゴ(小ぶりなものなら丸ごと、切り身でもOK):約300g
  • 片栗粉または小麦粉:適量
  • 塩・こしょう:少々
  • レモンやお好みで

作り方

  1. ユメカサゴのウロコと内臓を取り、洗って水気を切ります。
  2. 塩・こしょうで軽く下味をつけ、片栗粉をまぶします。
  3. 170〜180℃の油でキツネ色になるまで揚げます(約3〜5分)。
  4. 熱いうちにレモンをかけてどうぞ。

※ユメカサゴは骨が多いので、小さなお子様には気をつけてくださいね。味がしっかりしていて、ご飯もすすむメニューです!

静かに、着実に広がるユメカサゴの存在感

かつてユメカサゴは、市場で見向きもされない“名もなき雑魚”として扱われてきました。深海でひっそりと暮らすその赤い魚体は、アカムツやキンキなどの高級魚に紛れ、「外道」として漁獲される存在だったのです。骨が多く、扱いにくいという理由から、商品価値も低く、名前さえついていない時代が長く続きました。しかし時代とともに、漁業者や料理人たちの間でその美味しさがじわじわと再評価され始めます。煮付けにすると身はふっくらと柔らかく、クセのない上品な味わい。唐揚げにすれば骨の周りまで旨みたっぷりで、香ばしさが食欲をそそります。その味わいは、決して“脇役”にとどまるものではありません。名も知られなかった魚が、静かに、そして着実に評価を高めながら、多くの人の食卓に笑顔と驚きを届け始めています。その存在感は、これからますます広がりを見せていくことでしょう。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です